こんにちは、1歳11ヶ月の愛娘チャプちゃんの育児奮闘中のにゃー将軍です。
性犯罪の裁判についての記事を読み、私も色々と思うところがあったので記事にしたいと思います。
問題は多岐にわたると思うのですが、その中でも男性と女性での認識の違いを感じることがあったので、それについて書きたいと思います。
にゃー将軍が受けた性暴力
高校時代帰り道で
高校生の頃、学校帰りの19時か20時頃だったと思いますが、家の近くの道を歩いていました(もちろん学校の制服です)。
工場というか作業場みたいな建物があって、そこは夜になると真っ暗になるので、その近くは道自体も暗くてちょっと怖いところでした。
そうは言っても毎日通るところだし、近くには友達の家もあって、小さい頃からよく遊んでいたエリアです。
で、そこに通りかかったとき、後ろを人が歩いているのに気づきました。
なんか嫌だなぁと思って早足で歩くと、後ろの人も早足になるような気がしました。
それで、どんどんその足音が近づいてきて自分のすぐ後ろに迫ってきたので、怖くなって走りだそうとした瞬間、後ろから抱きつかれて同時に口を手のひらで覆われて声が出せなくなってしまいました。
力一杯暴れて、口を塞いでいる手をどけようとしましたが、すごい力で全く身動きができませんでした。
これから何をされるんだろう?殺されるんだろうか?と思い、パニックでとてもとても怖かったです。
襲ってきた男は私を押さえつけたまま、より暗い方へ向かって動いているようでした。
にゃー将軍はその辺りは土地勘があったので、暗がりに行くとまずいと思いなるべく明るい方へ行こうと暴れました。
口を塞ぐのと移動するのを同時にやるのは難しいらしく、隙があれば大声を出そうとしながら、にゃー将軍は明るい方向、そして住宅街の方へ誘導しました。
少し行ったところにAちゃんの家とMちゃんの家があることはわかっていました。
そしてもみくちゃというか抱きつかれたような格好のまま徐々にMちゃんの家の近くまで行くことに成功し、ここで叫べばMちゃんかその家族が気付いてくれるかもしれないというところで、思い切って手を振りほどいて叫ぼうとしましたが、また強く押さえつけられて声を出すことはできませんでした。
でもそこまで辿り着く間に、なんとなく、その男に隙ができてきたのを感じたにゃー将軍は今度はその男が目深に被っていたニット帽を引き剝がして顔を確認しました。
それではっきり目が合ったのですが、20代ぐらいに見える普通のお兄さんでした。
というのは、いかにも変質者然とした感じではないというか、凶悪犯だとかそういう感じではなくて、そこらへんの大学にでもコンビニにでもいそうな普通の男の人でした。
そこで、
「あれ?お兄さん男前じゃん。こんなことしなくても普通に彼女できるんじゃないの?」
と言いました。
男前というのはお世辞です、褒めるのでもなんでもいいからできるだけ気分よく、穏便に、早く解放してほしかったにゃー将軍のそのときできる最善策だったのです。
そして、このお世辞が効いたのか、顔を見られたことで諦めがついたのか、段々締め付けは弱くなり、なんとなく会話が通じるような雰囲気になってきたように感じました。
そこで
「何がしたいんですか?もう帰っていいですか?」
と言いました。
すると、
「じゃあ、お尻だけ触らせてくれ」
と言われ、もはや尻ぐらいなんでもないやという気になり、触らせたあと、解放されたので走って帰りました。
家に帰って変質者に抱きつかれたと両親に報告すると、特に父が怒って、
「お前、その持ってるカバンでもなんでもいいから殴ってやればよかったじゃないか! 何のためのカバンだ!」
と言われ、いや普通に学校行くためのカバンだよと思いつつ、なんだか家に帰ってきた実感が持てて安心しました。
と同時にPHSが無いことに気付き、あのもみくちゃの中で落としたんだと思い、探しに行くことにしました。
当然怒り心頭の父も付いてきてくれました。
この辺り、という場所に父の携帯から電話をかけながら近づくと、PHSを拾ってくれた人が
「これをお探しですか?」
と持ってきてくれました。
謝辞を述べながら受け取ったのですが、父は
「あいつが犯人なんじゃないのか!?」
と言っていました。
行き先を失った父の怒りが、全く関係ない通りすがりの人に向けられるところでした。
20代後半バイト帰りの夜道で
それから10年後ぐらいのにゃー将軍が26歳ぐらいだったと思うのですが、家から自転車で行ける距離にある居酒屋で夜バイトをしていました。
バイトが終わって0時ぐらいに、いつもは自転車で帰るところ、その日は歩いて帰宅していました。
同じシフトのGちゃんと一緒に帰ることになり、Gちゃんは自転車があったのですが、にゃー将軍に合わせてくれて自転車を押しながら二人並んで歩いていました。
先にGちゃんの家があり、「おつかれー」と別れて、一人になったばかりのときに道端に立っていた男から
「おぉ、何してんの?」
と声をかけられました。
その声かけがあまりにもナチュラルで、一瞬
「あれ?この人知り合いだったっけ?」
と歩調を緩めてしまいました。
しかし知り合いではないことに気付いて、急いで無視して通り過ぎようとしたのですが、腕を掴まれて
「こっちこいよ」
と暗がりの方に連れて行かれそうになりました。
とっさにさっき別れたばかりのGちゃんの名前を呼んで、大声で叫びながら腕を振り払おうとしました。
にゃー将軍は背が低くて軽いので、担がれたらどこかに連れて行かれると思い、重心を低くして、レスリングみたいにうつ伏せて地面にしがみつくような格好になりましたが、腕や服を引っ張られて地面をずるずる引きずられて連れて行かれそうになりました。
その日はダメージジーンズを穿いていたのですが、膝のところが砂利で穴があき、手のひらからは血が出ました。
すると、気付いたGちゃんが自転車で引き返してきてくれました。
しかしその男はGちゃんに向かってあろうことか
「お前も来い」
と言うのです。
でもそれに続いて、近くのローソンから男性の店員さんが
「大丈夫ですか~?」
と走ってきてくれるのに気付いてからは、男は本当に脱兎のごとく走り去って見えなくなりました。
ローソンの制服がヒーローに見えました。
その後すぐに警察が来てローソンの控室で洗いざらい今あった出来事を告げて(その時もGちゃんは傍にいてくれました、深夜なのになんて優しい子)、パトカーで家まで送ってくれました。
この時の犯人も20代に見える普通の、というかその男の場合見た目は結構イケメンに入るぐらい整っていたような気がします。
周りの人の反応
彼氏と兄
そういう被害に遭ったということを、当時付き合っていた彼氏や兄に話したところ、とっても驚かれてしまいました。
兄には
「えっ!? この平和なおらが町でそんな凶悪犯罪が!? しかもよりによって俺の妹の身に!?」
と言う感じのことを言われ、2件目の被害のときにはにゃー将軍は一人暮らしをしていたので、もうその物件は引っ越した方がいいと言われました。
彼氏にも、そんなことがあるならそのバイトは今すぐ辞めて、その道はもう通らない方がいいと言われ、どうしても通らないといけないなら同行するから、と言われました。
女友達
それに比べて女友達は
「あ~あの辺変な人多いよね。」
とか
「私も高校の頃さ~」
と自分の被害を打ち明けてくれたりしました。
思うこと
男にとっては滅多にないこと、女にとってはそこらじゅうにあること
つまりは、男性にとってはたまにしかない珍しい出来事でも、女性にとっては多くの人が自分も何かしら経験があることなのだと思います。
兄も当時の彼氏も「それ本当の話?」という雰囲気がありました。
疑うわけではないのですが、そんな酷いことが本当にあるのかと驚くようです。
一方女友達は疑う気持ちなんて全くなく、よくあることだからこそそれほど心配しないというか、そういうこともあるこの世界は大変だよね、という形で同情してくれるのです。
どうして男性にはその犯罪が見えないのか
そこで、どうしてこういう事件は男性の耳に入らないのかと考えたのですが、まず、性犯罪は被害者が周りの人に言いたくない・言う必要がないのだと思います。
私の上記の被害は怖い思いはしたものの、結局無事解放されて大した怪我もなかったので、「この間こんなことがあったの」と比較的簡単に人に打ち明けることができました。
でも体を触られたりレイプされたりした場合は周りの人には知られたくないと思うだろうし、人に打ち明けるにしてもごく身近な信頼できる相手にしか打ち明けられないと思うのです。
だから直接誰かから聞くのではなくニュースで報じられているのを聞くだけでは、そういうこともあるのかと遠い世界の出来事と認識する男性が多いのも仕方がないのかもしれません。
レイプされたときのこと
ここまで書いて、にゃー将軍もレイプ被害にも遭っていたことを思い出しました。
打ち明けたときのリアクションが男女で違うということを書きたかったので、このレイプ被害については書くつもりはありませんでしたが、どういう気持ちによって人に打ち明けることすらできないのかを考える為に書こうと思います。
私が被害に遭ったのは19歳の頃で、スナックでバイトをしていたときでした。(髪型も服装も普段着の女子大生がお酒を注ぐような感じのお店でした)
勤務終了後は店のオーナーが車で女の子を家まで送ってくれるのが決まりでした。
ある日、そのオーナーから
「お前は背中の骨が曲がっている。俺は整体師の資格も持っているから治してあげる。横になれる場所に寄ろう。」
と言われ、断りましたがラブホテルに連れ込まれてしまいました。
横になれる場所というのが整体院か何かだと思っていたし(資格を持っていてそういう店も経営してたりするのかと思ったのです)、当時はラブホテルにも行ったことがなかったので、そこがどういう場所かよくわかっていなかったのです。
途中でこれってそういうことかな?とも頭をよぎったのですが、お店のオーナーのことを目上の人としてそれなりに敬意を払って接していたし、その人が店の従業員をそういう目で見るはずがない、そういう風にこっちが捉えたら失礼だろうという遠慮もありました。
そのあとのことはよく覚えていません。
オーナーはガタイが良くて色黒で金ネックレスをしているような、なんていうかいかつい感じで半グレみたいな?印象でした。
本当に死ぬ気で抵抗したかといえばそこまでできませんでした。
例え包丁が近くにあったとしたって、それで刺す勇気はありませんでした。
一発で殺すか気を失わせることができなければ、確実により大きくやり返されると思ったので、身がすくんでしまいました。
結局その行為は最後まで完遂されることにはならなかったのですが、私は裸を見られてしまったし、体を触られたりしたので、「私は汚れてしまった、大事なものを失ってしまった」ともうすっかり魂が抜けるような感じになりました。
その後の感情
この出来事は親友の女の子一人にしか話していません。
それも詳しくは話さず、起こった出来事の一部を少し話した程度です。
彼女は
「それレイプだよ、怒っていいんだよ!」
と言ってくれましたが、そのとき初めてレイプという言葉を意識して、
「いや、そんな大げさなことじゃないから。もういいの、この話はもうやめて。」
と自分から終わらせてしまいました。
自分がレイプ被害者なんだと認識するのが辛かったのです。
そこからは、「どうして骨が曲がっているだとか訳のわからないことを言われたときに、もっとはっきり断れなかったんだろう。」とか「ホテルの駐車場に車を停めたときに逃げればよかった。」とか「もっと必死に抵抗したらやめてくれたかもしれない」とか無数の自分の落ち度を見つけては自分を責めていました。
この落ち度の多さが人に言うことをできなくさせていました。
当時にゃー将軍は警察に被害を届けるだとか、ましてや裁判で争うなんていうのはとてもとても考えられませんでした。
「横になれる場所と言われて変だと思わなかったんですか?」
「男性と二人でホテルにのこのこ入っていって、覚悟がなかったなんてありえるんですか?」
「本当に嫌だったらもっと抵抗するんじゃないんですか?」
「結局最後までやらなかったのに何が問題なんですか?」
こういう言葉を人からかけられるだろうと思うととても耐えられませんでした。
当時は人に打ち明けるということはイコール自分の馬鹿さ、愚かさや常識のなさを告白することのように思ったし、自分が汚くてみじめで価値のない存在であることを突き付けられるように感じていたのです。
「傷物」だとか「慰み者」という表現が思い起こされました。
犯罪者に理不尽な目に遭わされたのに、被害者の方が「自分の価値が下がった」と思わされる必要なんてなかったのですが、当時はそうとしか思えなかったのです。
これからの世代の女の子には同じような思いをしてほしくない
自分の被害に関しては私は本当にもうどうでもいいと思っていて、その後その痛い目をみた経験を教訓に、それなりに警戒をできるようになったし、今となってはもうおばさんになってきたのでその手の犯罪の心配はしなくなってきました。(そういう犯罪を犯すクズは若くて人生経験の少ない未熟な女の子を狙うのです。)
でも自分にも子供が生まれて、やっぱりこういう被害を「よくあること」のままにしてはいけないと思ったのです。
私にはもうすぐ2歳の娘がいますが、その子が将来自分と同じような目に遭うことは想像するだけではらわたが煮えくり返ってしまいます。
自分が被害に遭っているときは自分にも落ち度があったから仕方ないと思っていましたが、自分の子供で想像すると、いくら露出の多い服を着ていたとしても、思わせぶりな態度をとっていたとしても、やっぱり嫌がっている人を無理に力で押さえ付けるのは悪いに決まっています。
落ち度があるならそれは糧にして、それはそれとして悪人には悪行の責任を取らせるべきなのです。
男性に言いたいこと
少し前に、「俺が男だというだけで女性から警戒された。差別だ!」と言っている人を見ました。
今までに私が書いてきたように、ただ歩いているだけで・ただ電車に乗っているだけで、嫌な目に遭っている女性は沢山いるのです。
それは「態度がちょっと冷たかった」程度ではなくて、これまでに書いてきたような酷いものであったりします。
信頼できる人かどうか見極める間、少し警戒することも許せないのでしょうか?
多分、男性が思っている100倍、もしくは1万倍ぐらいの被害が実際にはあるのかもしれません。
もちろん世の中の男性のほとんどは、間違ってもそのような犯罪を犯すことはないと思います。
自分が女性を大事にする気持ちが強い人こそ余計に「こんな俺まで疑うのか」と腹が立つのかもしれませんが、その怒りの矛先を向けるべきは警戒した素振りを見せた女性でしょうか?
むしろ、「一部の変態のせいで男性全体が警戒されることになっている、変態を締め上げろ!」となる方が自然だと思います。
終わりに
自分の考えを整理しつつ書いたので、とっても長くなってしまいました、ごめんなさい。
でもこんなに長文を書くほど、にゃー将軍は今やる気に満ちているのです!
というのは、今私は大好きな人と結婚して最高の娘にも恵まれて幸せいっぱいなのです。
色んな被害にも遭ったけど、それを乗り越えて今元気に楽しくやっているのです。
今なら、「お前にも悪いところがあっただろ」と言われたとしても
「でさぁ~ね!! だから? ぺっぺっぺっぺっぺ~~~!!」
と言えるぐらい元気なのです。
でも被害を受けた頃の悔しい気持ちははっきりと覚えています。
だから、今苦しんでいる人を助けるため、今後こんな思いをする人を減らすために自分も何かやれることをやっていきたいという気持ちがでてきました。
犯罪自体を減らすこと、被害に遭った人の心に寄りそうこと、犯罪者にしっかり罪を償わせること、今の私だからこそできることがあるのかもと思ってきました、探していきたいと思います。
冒頭に貼った記事の被害者の方の活動も応援していきたいと思います。
終わり